2004.12.10 ~ 2004.12.21 平成16年 結城市議会 第4回 定例会
 

決議第9号

WTO・FTA交渉に関する意見書

 
 上記について、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  
提出先
 
衆議院議長 農林水産大臣 外務大臣
 
 
 

WTO・FTA交渉に関する意見書

 
 
  貴職におかれましては、日頃から国政運営のために多大なるご努力を傾注されていることに

 対し敬意を表します。

  さて、WT0(世界貿易機関)交渉は,8月1日に,今後の交渉に前提となる大枠合意が

 なされました。農業分野の市場アクセス,国内支持,輸出競争について,具体的な数値などは

 今後の交渉に委ねられました。しかし,アメリカや農産物輸出国からは依然として,

 上限関税の設定や,高関税品目の大幅引き下げ関税割当数量の大幅拡大などが要求されて

 います。これは、農産物輸出国がますます輸出を拡大しやすくするためのものであり,

 日本農業への打撃はもとより、食料の安全・安定環境などにも大きな影響を与えるもの

 です。

  アメリカなどが行っている国内農家への手厚い補助や.輸出補助政策について大枠合意では

 実質的削減に結びつかないものとなっており,途上国などから反発が高まっています。

 このような公平さを欠いた交渉を是正し.地球規模での食料・環境問題を解決するため、

 各国が自国の生産資源を最大限活用し,共生・共存できる噺たな農産物貿易ルールの確立」が

 求められています。

  また,FTA(二国間自由貿易協定)については,現在,韓国,マレーシア.フィリピン.

 タイとの交渉が行われていますが,特に東南アジア各国からは農産物の貿易自由化が

 求められています。先のメキシコとのFTA交渉でも見られたように,工業製品の輸出自由化の

 ために,農業分野が大幅な譲歩を強いられ,食料や農業は大きな影響を受けることになるのは

 必至です。

  当議会としては,WTOおよびFTAにおける農業分野の交渉にあたり,農業の多面的機能の

 発揮と食料の安全保障、各国の農業の共存と食料自給向上が可能な貿易ルールの実現が

 必要と考えます。

  貴職におかれましては,以下の点に配慮をし「WTO・FTA交渉」に臨むことを要望いたします。

 
1. WTO農業交渉では,世界的な飢餓の拡大や地球規模での環境悪化につながることの
ないよう,農林水産業の多面的機能の発揮や食料自給の向上各国の多様な
農林水産業が共生・共存できる貿易ルールに改めるよう確固たる姿勢で臨むこと。
 
上限関税の設定や関税割当数量の一律的・義務的拡大には断固反対すること。
 
国内農林水産業の維持を可能とする関税率水準や国家貿易体制,特別セーフガードの
維持などの国境措置を確保し、急速な市場開放に幟猷寸に応じないこと。
行き過ぎたAMS(助成合計量)削減の是正と、「緑の政策」の要件緩和など
国内支持政策に関する適切な規律を確保すること。
東アジア諸国とのFTA交渉では,農林水産物の関税撤廃・削減は、国内農業へ
打撃を与え,WTO農業交渉や他国との交渉に重大な影響を与えることから、
絶対に行わないこと。
WTO・FTA交渉についての惰報公開を徹底し.各国の農業者や消費者・市民の声を
反映すること。


 
  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  平成16年12月21日

                                                 結城市議会
 
 
 


戻る