2005.5.17 地方自治経営学会 研究大会

 (東京都千代田区平河町 日本都市センター会館ホール)
 
 

去る、平成17年5月17日、民政会の行政視察研修に参加をしてきました。

東京都千代田区平河町・日本都市センター会館ホールで行われた

第38回 平成17年度 地方自治経営学会 研究大会に参加いたしました。 
    
写真をクリックすると、拡大されますので合わせてご覧下さい。
 
 
 

 
 
 (1) パネルディスカッション 「地方自治、地方分権は果たして進んでいるのか、いないのか」
 
 
   
 「地方自治、地方分権は果たして進んでいるのか、いないのか」という題名で、5人の

   パネラーによるパネルディスカッション。
 
    群馬県知事 小寺弘之氏、富山県知事 石井隆一氏、長野県芽野市町 矢崎和弘氏、
 
   羽衣国際大学客員教授で大阪府堺市議の加藤 均氏、エッセイスト 吉永みちこ氏の
 
   5人のパネラーが、 大詰めを迎えた市町村合併、行財政改革などについて、色々な切り口で

   意見を述べられていた。
 

 
  
 (2) 全国自治体のユニークな事例
 

大手ITゼネコンとの依存関係を絶つ - 熊本県佐賀市

   
市役所の基幹システムリプレースの際に、メンテナンスのためのプログラム公開、
開発元との知的財産の共有などを提示したところ、韓国企業が落札
今回のリプレースにより運用コストが今後5年間で3億円削減できる見込み
システム保守、プログラム修正などを地元のソフトウェア会社へ発注できる
環境も整えつつあり、地元企業育成にも貢献
 

広域的な滞納生理機能をつくる - 茨城租税債権管理機構

   
市町村税、県民個人税の徴収を目的に、茨城県と県内全市町村による
事務組合として設立
年々回収効果が高まり、平成16年度の回収効果は51億円にも達した
 

特区により、刑務所を誘致 - 山口県美弥市

 
工業団地を造成し、企業誘致を推進してきたが、困難な状況から
方向転換し、矯正施設誘致に取り組み、実現
管理運営業務を民間委託することにより、雇用の確保や、地元企業の活用など
地元地域の活性化が大いに期待できる
 
環境保全による新たな雇用促進 - 和歌山県農林水産部
 
Iターンによる林業従事者を募集し、若い人の定住を促進し人口増加を図ると共に
林業従事者により、森林管理を行い、環境保全を促進
企業に山間部の土地を購入、あるいは借用して植林をしてもらい、
緑化を進めると共に、管理委託をしてもらうことで、林業従事者の仕事を確保
 

地域で学校を支える - 足立区五反田小学校

 
地域の住民の参画した学校理事会を立ち上げ、教育方針、学校経営方針を
理事会が作ることにより、地域・家庭の意見が反映され、校長先生が替わっても
学校の方針が変わらないという仕組みを作り上げた。
理事会の発足により、家庭・地域・学校の教育責任の分担が明確化できた。
 

 
  
 (3) 市町村合併最終ラウンドを迎えての講演
 
 
   
 市町村合併の最終局面を迎えた中で、総務省自治行政局合併推進課長 長谷川 彰一氏の
 
   講演があった。

    平成17年3月で期限の終了した合併特例法に変わる新しい法律の概要や、

   今後、都道府県知事による斡旋、調停が可能になる点、市町村合併により、

   市町村数が激減する様子などについて講演があった。
 
 
 
 (4) 立川のコメント

 
    市町村合併がひと段落を迎え、学会の様子もちょっと落ち着いたような雰囲気であった。

   パネルディスカッションでは、作家の吉永みち子氏が、
「単なる情報公開をするだけではだめ。

   住民にわかりやすく翻訳をして、理解をしてもらえる形で出さなければ情報公開とは言わない」


   という言葉が印象的であった。単なる情報公開ではなく、内容を理解してもらうことで、

   目的が達成される。一歩進んだ情報公開を求める段階にきている。

    各自治体の先進事例では、いずれの組織においても、今までの常識を変えるような

   手法を苦慮して編み出した様子が手に取るようにわかった。茨城県でも、

   租税債権管理機構が全国初の事例として掲載されていたが、今回紹介された5つの事例は

   いずれもが全国初の事例。前例やしきたりはもはや通用せず、色々な分画の概念を

   組み合わせることに必要性を感じるものであった。

    また、その概念を変えていくために、職員も議員も、多くの事例やケースを分析する

   必要性を感じた。それはそのまま、地方分権を進めていく上でも必要であり、

   今後、職員、議員に求められる能力、資質はよりいっそう大きくなると考えられるし、

   それを実現していかねばならないと感じている。

    最後の市町村合併に関する講演では、これまで語られていたような、新法律での概要や

   市町村数の変化などの状況が紹介された。国内でも合併問題がひと段落して、

   これからはいかに合併した新自治体の中をまとめていくかに視点が置かれるだろう。

    講演の最後で一点気になることがあった。出席されていたある都道府県議会議員が

   「国は地方に合併によるスリム化を求めてきたが、国としては同様に改革を考えているのか?」

   という質問に対して、
「国は都道府県を通して市町村を指導している。市町村合併は

   進んだが、都道府県の数はかわってないので・・・」
という趣旨の答えがあった。

   その議員さんは、合併して指導する市町村が減ったのだから、それに伴って、国としても

   指導する市町村が減るのだから、 コスト削減が出来るだろうという考えに基づいての

   質問であったろうと理解しているが、そういう雰囲気は感じ取れなかった。

    
合併を選択した市町村、単独での運営を選択した市町村、いずれにとっても、

   議論を重ねたうえでの選択
であるし、これから取り組まねばらならない問題が山積する

   大きな転換期を生むこととなった市町村合併。それに対し、国は同様の改革をする気が

   あるのか、
私自身は非常に疑問を持つ結果となり、残念だという印象を持っている。
 
 
 
  


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